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数万匹×120群…丹波でミツバチ大失踪の怪(読売新聞)

 兵庫県丹波地方の養蜂農家で、ミツバチが大量失踪(しっそう)した。

 近年、アメリカや日本国内で問題となっている「蜂群(ほうぐん)崩壊症候群」と呼ばれる現象が県内でも起き始めた。環境の異変をいち早く察知するとされるミツバチが発する警告は何か。

 丹波市春日町栢野、山内秀樹さん(69)は、自宅近くに巣箱を置き、周辺の山から蜜を集める方法で、年間数トンを出荷する県内でも有数の養蜂家だ。

 今年1月3日、異変が起きた。昨年11月には、120群(1群は数万匹で、1匹の女王蜂が形成する集団)いた越年用のミツバチのほとんどが消えた。

 巣箱や周辺にハチの死骸(しがい)はなく、餌となる蜜も豊富に残り、まさに蒸発、失踪の状態。冬の間に1割程度の減少はあるが、壊滅状態となったのは初めてだ。

 毎年、交配のため2、3群を購入しているが、今年は一度に20群を新たに仕入れ、ゼロからの出発を余儀なくされた。

 山内さんは「今年の蜜は例年の収量の10分の1になるかもしれない」と厳しい見通しを示し、昆虫の神経に作用する「ネオニコチノイド」系農薬の影響を疑う。最近、付近の山で行われたマツクイムシ防除や稲の害虫防除などに使用されるようになったという。

 県丹波農林振興事務所によると、マツクイムシ防除は2008年、島根県出雲市で空中散布による健康被害が発生して以降、「ネオニコチノイド」系に切り替えた。他の作物の使用について特に推奨されてはいないが、少量で長い効果が得られることから米の害虫防止などで普及が進んでいるという。

 県内の養蜂農家50人が加入する県養蜂振興会の足立宏幸事務局長は「全国的にハチが減り始めた数年前から、ハチの増え方が鈍り、蜜の収量も減った。今年は、特に悪い」とする。

 「蜂群崩壊症候群」は昨年8月、三田市の県立人と自然の博物館でも起きている。研究用に飼っていた8群中の1群(2万〜3万匹)が行方不明となり短期間に200匹にまで激減した。

 ミツバチの行動を研究している大谷剛・県立大自然・環境科学研究所教授は「ハチは必ず巣に帰る。急にいなくなることはありえない。『ネオニコチノイド』系はハチの脳に作用し、帰れなくなる。巣箱に残っていた花粉団子の成分から、稲の花粉を取りに行っていたとみられ、(失踪は)農薬が根本的な原因」と推測。

 環境への影響について、「ハチは行動が複雑で神経が非常に発達した昆虫で、少しの環境変化で影響を受ける。必ず巣に戻り、増減が確認できるため、環境指標生物ともいわれる。『ネオ』系の農薬は、昆虫に効くということで使用が広がっているが、昆虫を殺し尽くすことは生態系を壊す。将来、人間に大変な結果をもたらす」と警告する。

 「働きバチは本能的に子どもの巣立ちを助ける。育児放棄をしていなくなるなんて……」。山内さん方には、羽化したものの巣穴から出られずに、死んだ幼虫が多数残るミツバチの巣箱が積み上げられている。

 ちらつく農薬の影、育児放棄……。人間社会のひずみを投影しているように見える。(丹波通信部 田中聡)

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